誰でもわかる脈診の方法
- 山本 真弓

- 23 時間前
- 読了時間: 4分
身体に未来を知らせる脈
脈は、自分で変えることができません。
そのため、経絡療法が経穴(ツボ)に作用していれば、脈が変化します。
また、経穴の位置は常に変わるのが特徴で、時間単位でも軽微に違うため、脈診ができるプロは3%とも5%とも言われるほど難しい技能とされます。
そういった意味で言えば、一般的な経絡と名のつくマッサージが経穴に命中することは稀で、リラックス効果が主になるため、改善までには至らないことが多いんです。
こうして、東洋医学において、脈の反応ほど信頼できるエビデンスはないと言えます。
脈診は、難しい技能ですが、私たちでも簡単に診ることができるものはいくつかあります。
例えば、脈が普段より早ければ、無自覚でも風邪をひく予告だと言われます。
例えば、ストレスは自分ではわかりずらいですが、夜寝る前に脈が早く、起床後も早いままならストレスが強いと言われます。
これがまた、どちらも「あぁ、確かに」と、納得する人が多いんです。
身体に未来を知らせる脈は、いわば私たちのメンター(助言者)的存在ですね。
是非、今日からメンターの助言に耳を傾け、病気になる一歩手前の微妙な不調の段階で病気を予防していきましょう。
誰でもわかる脈診の方法
ここでは一番簡単な手首の脈診を例に、誰でもわかる脈診の方法をお伝えしていきます。
まず、脈に触れる指の向きは、下図のように概ね2つあります。
[画像出典]左 パブリックドメイン/イラストAC・右 脈診の不思議/日本経済新聞社
自分で自分の脈を診る場合は、感じやすさで選ぶといいと思います。
それから、ここでいう脈診は、専門的な知識は必要ありません。
ただ、普段から自分の脈に触れる習慣をつけて場数をこなし、「いつもと違う」ことが自分でわかるようになることが大切です。
では実際やってみましょう。
脈に触れるのは、人差し指、中指、薬指の「指の腹」になり、両手首を診ていきます。
以下は、日本経済新聞掲載、北里大学東洋医学総合研究所漢方診療部・川鍋教授の記事がわかりやすかったので参照、引用しながら解説します。
脈診の基本は、「速さ」「強さ」「深さ」の3つを観察します。
これは、かなり個人差があり、強く押さなければ感じにくい脈でも、それが正常の人もいるため、必ず普段の自分のパターンと比べてくださいね。
速さ(数・遅): 脈拍のリズム(速ければ熱の前触れ、遅ければ冷えの警告)
強さ(実・虚): 指で触れる力(力強い脈は実脈(元気あり)、弱々しい脈は虚脈(元気がない)

深さ(浮・沈): 指の圧迫具合(軽く触れて感じるなら浮脈(体表の病)、深く押して感じるなら沈脈(深部の病)の可能性。

指先で脈拍を軽く圧迫し、「ドクン」と強く感じられるポイントを探る。その深さが浅いのが「浮」、深ければ「沈」。その間は「平」
「速さ」「強さ」「深さ」の3つに慣れてきたら、 さらに次の3つを観察する習慣をつけると精度が上がると思います。
弾力性(弦脈):押した時に元に戻る度合い(血管の元気の度合い)
なめらかさ(滑脈):突っかかりがないか(血流がスムーズな度合い)
渋り(渋脈):詰まった感じはないか(放置すると痺れに繋がる)
理想的な脈
理想的な脈は、強くも弱くもなく、速くも遅くもなく、深くも浅くもなく、静かな脈です。
日中は、強くて速くても、夜には穏やかであることが理想的ですが、いろんな外因にさらされているとバランスを崩して当たり前です。
そのため、私たち美's DNA™は、4つの視点からバランスをとっていくことを使命としています。
活力を巡らせる(経穴を通して深部まで効力を届け、外因で損傷したDNAを修復する)
活力を補う(免疫機能や代謝の不足を補う)
停滞を取り除く(瘀血血等、余分なものを取り除く)
身体を温める(生薬や熱エネルギーの耐性力をつける)
経穴は経絡上(血管)にあるため、上記、4つの作用で最初に反応するのは「経穴(ツボ)」です。
経穴が反応しているかどうかは、脈の変化でわかります。
ですから、脈の「速さ」「強さ」「深さ」が、施術前と施術中で違うのであれば、4つは作用しているということです。
そして、夜、穏やかな脈になっていることが、健康のひとつのバロメーターになります。
もし、何事にも動じない風林火山のような人がいるなら、365日、24時間、常に穏やかで静かな脈になっていることでしょう。
そうはならないのが、感情を持って生まれた人間らしさなのですが...。






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